Vagrantではboxと呼ばれる仮想マシンの雛形をダウンロードして、ローカルパソコンに仮想マシンをたちあげることができます。
boxの配布サイトの一つであるVgrant Cloud(ベイグラント・クラウド)から、boxを検索し追加する方法を具体的な手順を初心者向けに解説します。
今回はLinuxの人気ディストリビューション、「ubuntu(ウブントゥ)」のBOXを追加していきます。
目次
Vagrant box(ベイグラントのボックス)とは?
Vagrantのboxの仮想マシンのテンプレート(雛形)です。
ubuntuの雛形、CentOSの雛形など、Linuxのディストリビューションの雛形を使うことができます。
Vagrantのboxはどこから探すのか?
Vagrantのboxは以下のサイトから探すことができます。
- https://www.vagrantup.com/(Vagrantの公式サイト)
- https://app.vagrantup.com/boxes/search(Vgrant Cloud)
- http://www.vagrantbox.es/(Vagrantの非公式サイト)
ここでは、「Vgrant Cloud」からbox追加する方法を説明します。
Vgrant Cloud(ベイグラント・クラウド)とは?
「Vagrant Cloud(ベイグラント・クラウド」とは、Vagrantで使えるBoxを検索できるクラウドサービスです。Vagrant Cloudを使うと、Boxの導入が簡単できます。
Vgrant Cloud利用の条件
Vgrant Cloudを使うためには、Vagrant 1.5以降のバージョンが必要です。Vgrantをインストール済の場合もターミナルから以下のコマンドでVagrantが1.5以上か確認します。
$ vagrant -v
Vagrant 1.9.7
Vagrantのアップデートが必要な場合、具体的な方法は、「MacでVagrantのバージョンアップする方法」を参考にしてください。
Vgrant Cloudのboxを追加する方法
Vgrant Cloudからboxを検索し追加する方法を説明します。
- Vgrant Cloudにアクセスからubunto を導入します。検索窓に「ubuntu」と記入します、Providerは「virtualbox」を指定します。
- 「ubuntu/trusty64」をクリックします。
- 「new」タブをクリックするとbox追加のためのコマンドが表示されます。「vagrant init ubuntu/trusty64」をコピーします。
Vgrant Cloudのboxを追加する方法
ディレクトリの準備
仮想マシンを管理するための、ディレクトリの準備します。例として、「vagrant」ディレクトリに下の「ubunto」という名前のディレクリを作成します。
ターミナルかiTerm2を開きます。
「 mkdir」コマンドでディレクトリ(フォルダ)を作成します。
mkdir -p vagrant/ubunto
「cd」コマンドでディレクトリに移動します。
cd vagrant/ubunto
vagrant box の追加
さきほどVgrant Cloudからコマンドを実行しboxを追加します。このコマンドでBoxの追加と初期化が同時に行えます。
「vagrant init」 の後に[ベンダー名]/[Box名]を指定する構造になっています。
$ vagrant init ubuntu/trusty64
「ls」コマンドでディレクトリの中を確認してみましょう。
$ ls
Vagrantfile
「Vagrantfile」が作成されていることが確認できました。
「Vagrantfile」とは仮想マシンへの接続情報などが記載されたVagrantの設定ファイルです。
追加したboxの確認
追加したVagrant boxを確認するには、「vagrant box list」コマンドを使います。
他にも追加済のBOXがある場合、一覧で表示されます。
$ vagrant box list
ubuntu/trusty64 (virtualbox, 20170803.0.0)
先程追加した、Linuxディストリビューション、「ubuntu/trusty64」があることがわかります。
vagrant起動・接続
vagrantを起動させ接続してみましょう。
以下のコマンドでvagrantを起動します。
初回のvagrant起動にはかなり時間がかかるため、待ちます。
Vagrant起動
以下のコマンドでVagrantを起動させます。
$ vagrant up
Vagrant起動状態を確認
以下のコマンドでVagrant起動状態を確認します。
$ vagrant status
Current machine states:
default running (virtualbox)
「running」と表示されたら、vagrantは正常に起動できています。
以下のコマンドでvagrantに接続します。
$ vagrant ssh
プロンプトの表示が以下のように変わったら、仮想マシンにログインできいる状態を表します。
vagrant@vagrant-ubuntu-trusty-64:~$
ubuntuのバージョン情報確認
インストールされているubuntuのバージョン情報を確認を確認してみましょう。
ubuntuのバージョン確認には、「cat /etc/lsb-release」コマンドを実行します。
vagrant@vagrant-ubuntu-trusty-64:~$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=14.04
DISTRIB_CODENAME=trusty
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 14.04.5 LTS"
ubuntuのバージョンは「14.04」がインストールされていることが確認できました。
ホストOSとゲストOSにどちらにいるか?
ホストOSとは自分のパソコンを指します。ゲストOSのは立ち上げた仮想マシンのことです。
ターミナルのプロンプト(コマンド入力待ち画面)の表示でホストOSのゲストOSのどちらにいるか判断できます。
ホストOSにいる場合のプロンプト表示は以下のようになります。
[コンピューター名]:[ユーザー名]$
仮想マシンにいる場合のプロンプト表示は以下のようになります。
vagrant@vagrant-ubuntu-trusty-64:~$
仮想マシンからログアウト
仮想マシン(ゲストOS)から抜けるには、「exit」コマンドを使います。
vagrant@vagrant-ubuntu-trusty-64:~$ exit
仮想マシンからログアウトするとプロンプト(コマンド入力待ち画面)表示が以下ように変わります。
ゲストOS側からホストOS側に戻ったことが確認できます。
[コンピューター名]:[ユーザー名]$
追加したVagrantのboxの実態はどこにある?
追加した、Vagrant box は「home/.vagrant.d/boxes」に格納されています。
「.(ドット)」から始まるフォルダは隠しファイルとなっているため、通常Finderから見ることはできません。
ターミナルから「ls」コマンドでフォルダの中を確認してみましょう。
$ ls ~/.vagrant.d/boxes
ubuntu-VAGRANTSLASH-trusty64
追加したbox「centos6.6」が確認できました。
一つのboxに対して、複数の仮想マシンを構築できる
追加した1つのVagratn boxに対して、複数の仮想マシンを構築できます。
必ずしも、1つのboxに対して、仮想マシンは1つというわけでありません。
最後に
boxの配布サイト「Vgrant Cloud」からboxを探し、vagrantで仮想マシンを立ち上げるまでの手順を説明しました。