MacにPython(パイソン)のローカル開発環境を構築する流れを初心者向けに説明します。
「ローカル開発環境って何?」という方は、先に「ローカル開発環境とは?仮想マシンとは?」から読んでください。
目次
Python(パイソン)とは?
公式サイト python.org
Python(パイソン)は、汎用のプログラミング言語である。 コードがシンプルで扱いやすく設計されており、C言語などに比べて、さまざまなプログラムを分かりやすく、少ないコード行数で書けるといった特徴がある。
出典 wiki
人工知能、マシンラーニング、ディープラーニング、WEBアプリケーション、ゲーム、組み込みソフトウェア。
開発など様々な分野で活用されるプログラミング言語
Pythonの読み方は「パイソン」です。
Python(パイソン)とは特に人口知能開発や、機械学習の分野で世界的に注目が集まっているプログラミング言語です。
これらの分野だけでなく、WEBアプリケーション開発、ゲームの開発、組み込みソフトウェアの開発など様々な分野でPythohは活用されていす。
例えば、Pythonで作られたアプリケーション有名なのは、「Youtube」、「Evernote」、「Instagram」です。
- コンピューターも人間も読みやすいコードかけるよう開発された言語
- シンプルにコードをかける
海外では子供向けのプログラミング学習用の言語としてもよく採用されています。
プログラミング初心者にもおすすめの言語です。
Pythonには2系と3系がある
Pythonには、大きく分けると、2系と3系のバージョンがあります。これから新しくPythonの学習を始めていこうと考えている初心者の方はPython3系を学んでいくことをオススメします。
当初は、周辺のライブラリの対応が進まず2系の運用されることがありました。ライブラリとは、特定の機能の持つプログラムの部品のことです。効率的にプログラミングを行うためには、ライブラリは無くてはならないものです。
現在は、ライブラリは3系に移行しているため、2系でなければ困ることはほとんどありません。
参考:Python2系と Python3系の違いとは?どっち学ぶべきか?
python(パイソン)のインストール方法
MacOSは最初からpythonがインストールされています。MacにインストールされているPythonのバージョンはターミナルからコマンドで確認できます。
ターミナルとは文字列でパソコンを操作するためのツールで、Macには初めからインストールされています。
ターミナルを起動してインストールされているバージョンを確認してみましょう。
ターミナルはアプリケーション>ユーティリティフォルダ内にあります。
Macのスポットライトから起動すれば便利です。
キーボードの「control」 + 「スペース」キーをおすと、スポットライトが起動するので、
「タ」あたりまで記入すると候補が表示されます。enterキーをおして、ターミナルを起動します。
「$」の後に「python –version」を入力しenterキーを押してコマンド実行します
(※コピーして貼り付けるとき「$」は省いてください。)
python --version
すると、バージョン情報が返ってきます。「Python 2.7.10」 がインストール済であることが確認できました。
Pythonの開発環境構築の種類
- ホストOSに開発環境構築
- ゲストOSに開発環境構築
- Google Colaboratory
- Cloud9
Python開発環境構築方法1.
Google Colaboratory
難易度:☆
◯:初心者でも簡単に始められる
◯:ブラウザ上で動作
Google Colaboratory | Python の開発環境をGoogle Driveに簡単作成
Python開発環境構築方法2.
Cloud9
難易度:☆
◯:初心者でも簡単に始められる
◯:ブラウザ上で動作
Cloud9の使い方 Pythonで”Hello, World!”表示【初心者向け】 | ハジプロ!
Python開発環境構築方法3.
ホストOSに開発環境構築(今回の記事)
難易度:☆
✕:ホストOSの環境がよごれる
Python開発環境構築方法4.
ゲストOSに開発環境構築
難易度:☆☆☆
◯:なんでも作ったり壊したりできる。
◯:本番環境に限りなく近い環境を組める
ホストOSにPythonの開発環境構築する方法
Python 2をそのまま使うこともできるのですが、最新のPython3を使いたいので、以降の方法でインストールします。
手順1.パッケージ管理ツールHomebrew(ホームブルー)をインストール
Python3をインストールするには、Homebrew(ホームブリュー)というツールを使うと便利です。
「依存関係」といってツールA使うためには、ツールB、Cが必要といった関係性があり、これらの手動でのインストールは手間がかかります。そこで登場するのが、「パッケージ管理ツール」です。パッケージ管理ツールを使えば、様々なソフトウェアのインストールを簡単にコマンドで実行できます。Homebrewもパッケージ管理ツールの一種です。「パッケージマネージャー」「パッケージ管理ソフト」という言い方もするので覚えておきましょう。
↓Homebrewをインストールするにはターミナルでコマンドを実行します。
/usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
上記のコード↑でうまくいかない場合、Homebrewの公式サイトで最新コードを確認します。
Homebrewの詳しいインストール方法はMacにパッケージ管理ツール Homebrewをインストールする方法【初心者向け】を確認してください。
手順2.Homebrew(ホームブルー)でPython3をインストール
Homebrewがインストールできたら、次にHomebrewを使ってPython3をインストールします。
↓Python3をインストールするには、ターミナルからコマンドを実行します。
brew install python3
↓コマンドを実行すると、以文字列が流れはじめ、インストール処理が実行されていきます。
↓次の画面になったら、インストール完了です。
python3が正常にインストールができているか確認します。確認方法はいくつかあります。
確認方法①インストール場所の確認
↓フルパスを表示するコマンド「which」を入力し「enter」を押して実行しすると「/usr/local/bin/python3」にインストールされていることがわかります。
which python3
/usr/local/bin/python3
確認方法②インストールしたバージョン確認
バージョン確認コマンドを実行すると、「Python 3.6.1」がインストールされていることがわかります。
python3 -V
Python 3.6.1
手順3.HomebrewでPythonのバージョンの切替
HomebrewでPythonのバージョンを切り替える方法を説明します。
- Python 2.7.10:初めからMacインストールされていたバージョン
- Python 3.6.1:追加したバージョン
↓Pythonのバージョンを切り替えるときには、「brew switch」コマンドを使います。
brew switch 2.7.10
詳細なバージョン管理にはpyenvを使う
Homebrew(ホームブルー)ではPythonではバージョン2系と3系のバージョン切替ができました。pyenv(ピーワイエンブ)を使えば、2系・3系の違いだけでなくさらに詳細なバージョン切替ができます。例えば、Python 3.6.1からPython 3.6.2にというように細かいバージョンの指定まで可能です。
pyenvはHomebrewを使ってインストールすることができます。
HomebrewでPyenvをインストール
pyenvをHomeBrewでインストールします。
pyenvをインストールするには以下のコマンドを実行します。
brew install pyenv
パスの設定
パスの設定を行います。以下のコマンド順番に実行してください。
export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
eval "$(pyenv init -)"
それぞのコードの意味は以下です。
- PYENV_ROOTという環境変数を作る
- PATHという環境変数に追加
- shimsとautocompletionが動くようにする。
「source
」コマンドでbash_profileを読み込みます。
source ~/.bash_profile
ここまでの手順でpyenvが簡単に使えるようになりました。
コマンド検索パス(コマンドサーチパス)を追加することです。
ログインシェル(ログインしたときに起動するシェル)がbashの状態でログインしたときに読み込まれる設定ファイル
設定済のパスの確認したい場合「cat」コマンドで「.bash_profile」ファイルの中をチェックします。
cat ~/.bash_profile
インストールしたPyenvのバージョンを確認
Pyenvが正常にインストールできたか確認のためバージョンをチェックします。
「pyenv –version」または、「pyenv -v」コマンドを入力し、エンターキーを押します。
$ pyenv --version
pyenv 1.0.10
$ pyenv -v
pyenv 1.0.10
インストールしたPyenvのバージョンは「1.0.10」であることが確認できました。
これで、Pyenvは正常に導入できました。
Pyenvを使ってPython3をインストールする方法
導入したPyenvを使ってPython3をインストールしていきます。
インストール可能なPythonバージョンを確認
まずは、pyenvを使い、インストール可能なPythonバージョンを一覧で確認します。
そのためには、「pyenv install –list」コマンドを実行します。
pyenv install --list
・・・中略・・・
3.5-dev
3.5.1
3.5.2
3.5.3
3.6.0
3.6-dev
3.6.1
3.7-dev
・・・中略・・・
一覧が表示され、最新の安定版は「3.6.1」と確認できました。
「3.7-dev」など「dev」がついているのは、開発中のバージョンを意味します。
動作が不安定な可能性もあるため、開発版を除く最新版を使いましょう。
Pythonのバージョンを指定しインストール
以下↓のコマンドを実行し「Python 3.6.1」インストールします。
pyenv install [バージョン名]
$ pyenv install 3.6.1
インストールされたPythonのバージョンの確認するために、「pyenv versions」コマンドを実行します。
$ pyenv versions
*system
3.5.0
3.6.1 (set by /Users/[ユーザ名]/.pyenv/version)
左横に「*」印がついているは現在選択されているPythonのバージョンを示します。
この例では「system」、つまりMacに標準でインストールされているPython2系が選択されている状態です。
これで、インストールが完了しました。
すると、「~/.pyenv/versions/」フォルダにインストールしたPythonが配置されます。
※「.pyenv」フォルダは不可視ファイルのため、標準設定でFinderからは見えません
デフォルトで使用するバージョンを指定
デフォルトで使うPythonのバージョンを指定します。
バージョン「3.6.1」をデフォルトにする場合以下を入力します。
global
を指定すると全体に適用できます。
$ pyenvglobal 3.6.1
$ pyenv rehash
「python –version」コマンド実行します。
$ pyenv versions
system
3.5.0
*3.6.1 (set by /Users/[ユーザ名]/.pyenv/version)
「*」がつき、使用するPythonのバージョンが「3.6.1」に変わったことが確認できました。
pyenv localコマンドでバージョンの切替
「local」を指定すると特定のディレクトリに対して指定できます。
pyenv localを実行すると、実行したディレクトリに「.python-version」というファイルが作成されます。
これはglobal設定よりも優先さます。
$ pyenv local 3.6.1
$ pyenv rehash
インストールに失敗したら?
downloading Python-3.6.1.tar.xz...
-> https://www.python.org/ftp/python/3.6.1/Python-3.6.1.tar.xz
Installing Python-3.6.1...
BUILD FAILED (OS X 10.12.5 using python-build 20160602)
↓次のコマンドを実行します。
xcode-select --install
↓再度インストール実行します。
$ pyenv install 3.6.1
Python3で” hello World”を表示してみよう!
Python3がインストールできたら、お約束の” hello World”を表示させるプログラムを書いてみましょう。
詳しい方法は「MacOSでPython3系で” hello World”を表示してみよう!【超初心者向け】」で解説しています。
まとめ
MacにPythonのローカル開発環境を構築する流れを初心者向けに説明しました。
- Pythonはウェブクローリングやウェブスクレイピングでよく使われるプログラム言語である。
- Macには最初からpython2系がインストールされている
- Pythonのバージョン管理ツールpyenvでは詳細なバージョン切替ができる。