Vagrantで構築したCentOSの仮想マシンにブラウザからアクセスしてWEBページを表示する方法について説明します。
ここでは、ブラウザから「192.168.33.10」にアクセスし、「テスト」と表示させてみます。
前提条件と環境
前提条件
パソコンのOS はMacOS です。
仮想化ソフトVirtualBox、Vagrantのインストール、boxの追加、ディレクトリの準備し仮想マシンの準備が完了していることを前提とします。
- MacOSにVirtualBox(バーチャルボックス)をインストールする手順
- MacにVagrant(ベイグラント)をインストールする手順
- Vgrant CloudからCentOS7のVagrant Boxを追加し、仮想マシンを起動・接続する方法
- Vagrant 仮想マシンの起動と接続方法
構成
以下の構成を作成します。
CentOS(セントOS )とApache(アパッチ)の組み合わせは日本国内でよく使われている定番の構成です。
- OS:CentOS Linux release 7.1.1503 (Core)
- Webサーバー:Server version: Apache/2.4.6 (CentOS)
流れ
以下の流れで行います。
- Vagrantfileの編集
- 仮想マシンにログイン
- 仮想マシンにWEBサーバーApacheをインストール
- WEBページの作成とアクセス
Vagrantfileの編集
VagrantfileとはVagrantの設定ファイルです。
Vagrantfileに仮想マシンのWEBサーバーに接続するための設定を行います。
Vagrantfileの編集方法はテキストエディターなら、何を使ってもかまいません。
今回は次の2とおりの方法を紹介します。
•ターミナル上のテキストエディター「vim」•Macに標準インストールされている「テキストエディット」
ターミナルからvimでVagrantfileの編集する方法
まず、ターミナルもしくはiTerm2を開き仮想マシンの管理フォルダに移動します。
cd vagrant/centos7.0
接続先のIPアドレスの設定をするために、Vagrantfileを編集します。
Vagrantfileを編集するには、vimエディタ使います。
「vim」とはターミナル上で利用できるテキストエディターです。
「vim」コマンドを実行すると、テキストエディター「vim」で設定ファイル(Vagrantfile)が開きます
vim Vagrantfile
vimにはモードがあり、起動してときは「ノーマルモード」です。編集するためは、インサートモードへの切り替えが必要です。
「i」キーをおし(ノーマルモード➔インサートモード)へ切り替えてください。
インサートモードに切り替わると、一番下の表記が「INSERT」ヘ変わり編集できる状態になります。
プライベートネットワークに関する記述を探し、
コメントアウトをはずします。(#を削除する)
コメントアウトとは設定を無効する記述方法です。
#を削除するとその行の設定が有効になります。
修正後:config.vm.network “private_network”, ip: “192.168.33.10”
キーボードの「esc」キーか、「Control+C」をおし、(インサートモード➔ノーマルモード)へ切り替えます。
「:wq」と入力し「return」キーで保存して終了します。
すると、vimが終了し、元の画面に戻ります。
vimエディターの使い方には癖があるため、良くわからなかった方は「Vim 入門」を参考に学習してください。
FinderからVagrantfileを開き編集する方法
Vagrantfileの保存場所に移動しダブルクリックしてファイルを開いてみましょう。
Macに追加でエディターを追加したりファイルアプリケーションの紐付け設定をしていないようなら、Macに標準でインストールされている「テキストエディット」でVagrantfileが開くはずです。
「#(コメントアウト)」を削除し保存します。
これでVagrantfileのIPアドレスの編集ができました。ここで設定した、IPアドレスはブラウザから接続するときに使います。
仮想マシンの起動・接続
仮想マシンを起動し、接続してみましょう。
仮想マシンに起動させるには「vagrant up」コマンドを実行します。
vagrant up
仮想マシンにログインします。
vagrant ssh
[vagrant@localhost ~]$と表示されたら、ログインできています。
仮想マシンにWEBサーバーApacheをインストール
WEBサーバーApache(アパッチ)のインストール
ブラウザから表示させるためには、WEBサーバーが必要です。
パッケージ管理ツール「yum(ヤム)」でWEBサーバー「Apache(アパッチ)」をインストールします。
「yum」とはソフトウェアの導入や削除を行うツールです。このような機能をもつ総称して「パッケージ管理ツール」といいます。
CentOSには予めyumがインストールされています。
以下のコマンドを実行し「Apacheをインストールします。
sudo yum -y install httpd
Apacheのインストールには、少し時間がかるので待ちます。
「完了しました!」とうメッセージが表示されたら、Apacheのインストールができています。
インストール確認のために、「httpd -v」でバージョンをチェックしてましょう。
[vagrant@localhost ~]httpd -v
Server version: Apache/2.4.6 (CentOS)
Server built: Apr 12 2017 21:03:28
「Apache/2.4.6」をインストールできたことが確認できました。このようにバージョン情報が返ってくればOKです。
WEBサーバーの起動と確認
WEBサーバーApacheを起動するには、以下のコマンドを実行します。
systemctl start httpd
起動状態を確認するには、次のコマンドを使います。
systemctl status httpd
「Active: active (running)」 と表示されれば起動できています。
Apacheの自動起動設定
再起動したときにも自動的にWebサーバーが起動するよう、以下のコマンドを実行し設定します。
sudo chkconfig httpd on
設定が有効になったか確認するには、次のコマンドを使います。
chkconfig
ファイヤーウオールを切る
ブラウザから接続できるようにするために、ファイヤーウオールを切っておきます。
同じPC内の仮想マシンに接続するのでファイヤーウオールを切ってもセキュリティ上問題はありません。
CentOS 7の場合は以下のコマンドを実行します。
sudo systemctl stop firewalld
CentOS 6の場合は以下のコマンドを実行します。
sudo service iptables stop
WEBページの作成とアクセス
WEBページを作成しアクセスします。
Apacheのドキュメントルートに移動
「cd」コマンドを実行し「/var/www/html」ディレクトリに移動します。
cd /var/www/html
アパッチのドキュメントルートは?
ApacheはWWWサーバです。
クライアントからコンテンツのリクエストに対して対応するコンテンツを返します。
コンテンツを配置しておく場所が「DocumentRoot」です。
HTMLファイルを作る
HTMLファイルを作成します。
ファイルを作成するには、テキストエディタ「vim」を使います。
「vim」で「index.html」という名前のファイルを作成します。
このディレクトリではルート権限(管理者権限)が必要なため、頭に「sudo」を付けます。
sudo vim index.html
コマンドを実行すると、「vim」が起動します。
vimは起動状態ではノーマルモードです。
「i」キーでノーマルモード➔インサートモードに切り替えます。
画面左下の表示が「INSERT」または「挿入」に変わったら以下を入力します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<title></title>
</head>
<body>
<h1>テスト</h1>
</body>
</html>
キーボードで「control+C」と押し、ノーマルモードに切り替えます。
キーボードで「:wq」と入力後し、enterを押します。
すると、ファイルの内容が保存され「vim」が閉じれます。
これで、「index.html」ファイルができました。
ブラウザを開き確認します。
それでは作成したHTMLをブラウザからアクセスして確認してみましょう。
ブラウザを開き、はじめにVagrantfileで設定してプライベートIPアドレス「192.168.33.10」にアクセスします。
確認できました!
まとめ
で構築した仮想マシンにブラウザからアクセスしてWEBページを表示する方法を説明しました。
このようにVagrantでは、仮想環境上にサーバーを立ち上あげることができます。
次は、ここまで手順で設定した仮想マシンを「パッケージ化」して独自のboxを作ってみましょう。
詳しい方法は「Vgrantのboxをパッケージ化する方法」をチェックしてください。
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