海外のWordpressのコアディストリビューター(正規代理店)でも使われている開発環境、Vagrant+VirtualBox+VVV。
MacでWordPressの開発環境をvvv構築する方法と使い方を詳しく解説します。
目次
WordPressの開発環境を構築
WordPressの開発環境を構築するには様々な方法があります。
- MAMP(ザンプ)
- WAMP(マンプ)
- VirtualBox + Vagrant
- VVV(Varying-Vagrant-Vagrants)※この記事の解説
- VCCW(Vagrant Chef Centos Wordress)(Vagrantのbox)
- Docker
- Local by Flywheel:WordPressに特化してGUIベースの開発環境ツール
- cloud9:クラウド型の仮想開発環境
この記事では、「VirtualBox +Vagrant+VVV」の環境構築について解説します。
なぜ、仮想環境を使うのか?
なぜ、仮想環境を使うのでしょうか?
あなたは、普段パソコンを使うとき、OSは何を使っていますか?
Macやwindowsという方が多いと思います。
一方、サーバー上で使われるOSではLinuxが大きなシェアを占めています。
WEBアプリケーションを公開するには開発したプログラムファイルをサーバー設置します。
つまり最終的には、LinuxOS上でプログラムを動かすことになります。
Macやwindows上ではうまく動かいていも、いざ本番環境にデプロイ(作成したアプリケーションをサーバに設置、利用できる状態にすること)したとき、OSの違いによりうまく動かない可能性があります。
本番環境であるLinux環境をローカルパソコンに用意して開発すれば、このような問題を避けることができます。
もっと詳しくは「ローカル開発環境とは?仮想マシンとは?」にて解説しています。
WordPressを動かすには?
WordPressを動かすためには以下が必要です。
- OS
- Webサーバー
- MySQL(データベース)
- PHP(プログラミン言語)
vvvを使えば、WordPressが動く環境を簡単にローカルに構築することができます。
VVV(Varying-Vagrant-Vagrants)とは?
「VVV」とはアメリカの大手ウェブ制作会社の 「10up」社が提供している、VagrantのBox(仮想マシンのテンプレート)です。
レンタルサーバーをVPS借りて、サーバー上でWordPressを動かしているような環境を
パソコン内に用意することができます。
VVVに含まれるソフト
「VVV」には、以下が含まれています。
- nginx (mainline version)(WEBサーバー)
- MariaDB 10.1.x (drop-in replacement for MySQL)(データベース)
- php-fpm 7.0.x
- WP-CLI(WordPress をコマンドラインで操作できるツール)
- memcached(メモリキャッシュシステム)
- PHPUnit
- Composer(PHPのパッケージ管理ツール)
- NodeJs(サーバーサイドのJavaScript)
- Mailcatcher
WEBサーバーはnginx、データベースはMariaDBで、MySQLと互換性のあるDBです。
VVVでWordPressの開発環境を構築する手順の流れ
VVVでWordPressの開発環境を構築する大まかな流れは以下の手順です。
VirtualBox(バーチャルボックス)とVagrant(ベイグラント)を導入済の場合は、3番から進めます。
- VirtualBox(バーチャルボックス)のインストール
- Vagrant(ベイグラント)のインストール
- vagrant-hostsupdaterのインストール
- VVVのプロジェクトをgithubからクローン
- VVVの起動
- ブラウザからアクセス
- WordPressの管理画面にログイン
- WordPressの日本語化
VVVでWordPressの開発環境を構築 しよう!
それでは、VVVでWordPressの開発環境を構築する手順を説明します。
VirtualBox(バーチャルボックス)のインストール
VirtualBoxのサイトから VirtualBoxのインストーラをダウンロードして、インストールします。
詳しい方法は、「MacOSにVirtualBox(バーチャルボックス)をインストールする手順」
を参照してください。
Vagrantのインストール
Vagrantのサイトから Vagrantのインストーラをダウンロードして、インストールします。
詳しい方法は、「MacにVagrant(ベイグラント)をインストールする手順」を参照してください。
Vagrantのプラグイン「vagrant-hostsupdater」をインストール
「vagrant-hostsupdatert」とは仮想マシンへの接続設定を便利にするためのVagrantのプラグイン(拡張機能)です。
仮想マシンの接続設定では、hostsファイル(private/etc/hosts) でip アドレス、ドメインの設定が必要です。
Vagrantのプラグイン「vagrant-hostsupdatert」を追加すると、この設定の手間を省くことができます。
「vagrant-hostsupdatert」はVagrantで仮想マシンを起動・停止するとき、Vagrantfileに書かれた接続情報をホストOSのhostsファイルに自動で書き換えてくれます。
ターミナルから以下のコマンドを実行し「vagrant-hostsupdatert」をインストールします。
vagrant plugin install vagrant-hostsupdater
「vagrant-hostsupdatert」が正常にインストールできたか確認するには以下のコマンドを実行します。
vagrant plugin list
vagrant-hostsupdater (1.0.2)
vagrant-hostsupdaterのバージョン(1.0.2)がインストールされていることが確認できました。
ディレクトリの準備
仮想マシンを管理するためのディレクトリをつくります。
「mkdir」コマンドで「vagrant」ディレクトリを作成します。
mkdir vagrant
「cd」コマンドで 「vagrant」ディレクトリへ移動します。
cd vagrant
githubからVVVをクローン
「VVV」はGitHubから入手できます。
GitHubとは、ソースコードの管理サービスで、様々なコードが公開されています。
VVVをgithubからクローン(githubのソースコードを仮想仮想環境にコピー)しましょう。
以下の「git clone」コマンドを実行します。
$ git clone [リポジトリ名] [パスの指定]
git clone git://github.com/Varying-Vagrant-Vagrants/VVV.git vvv
Cloning into 'vagrant/vvv'...
remote: Counting objects: 7602, done.
remote: Total 7602 (delta 0), reused 0 (delta 0), pack-reused 7602
GitHubからクローンできたら、次に「ls」コマンドでファイルの中身を確認してみましょう。
「VVV」フォルダができていることが確認できます。
ls
vvv
vagrantの初期化
vagrantの初期化を行っていきます。
まず、「cd」コマンドで 「vvv」フォルダに移動します。
cd vvv
vagrant init
A `Vagrantfile` has been placed in this directory. You are now
ready to `vagrant up` your first virtual environment! Please read
the comments in the Vagrantfile as well as documentation on
`vagrantup.com` for more information on using Vagrant.
仮想構築構築の準備が整いました。Vagrantの詳しい使い方はvagrantup.comを参照してください。」
と書かれています。
「Vagrantfile」の確認
ls
「vagrant init」コマンドを実行したことで、「vvv」フォルダの中に「Vagrantfile」が作られました。
「Vagrantfile」とは仮想マシンの構成を記述するための設定ファイルです。
「cat」コマンドでVagrantfileの接続情報を確認しておきましょう。
cat Vagrantfile
ずらっと設定項目が表示されるので、その中から以下を探してください。
目視で探すのは大変なので、⌘+Fで使って検索しましょう。
config.vm.network :private_network, id: "vvv_primary", ip: "192.168.50.4"
「192.168.50.4」の部分が接続のための情報です。このIPアドレスは後ほど使います。
仮想マシンを起動
起動には「vagrant up」コマンドを使います。
なお、起動するときは「Vagrantfile」が置かれているディレトリ内で実行する必要があります。
(今回の例では「vagrant/vvv」フォルダ内にいる状態で行う)
vagrant up
以下のように表示されれば、vagrantの起動完了です。
==> default: ...done.
vagrantの起動確認
vagrant status
「running」と表示されていれば、仮想マシンは正常に起動できています。
また、仮想マシンの起動状態は、「VirtuarlBox」からも確認できます。
(VirtuarlBoxは事前のインストールでアプリケーション内にフォルダにあります。)
起動状態は、VirtuarlBoxの画面の左側で確認します。
「VVV」が「実行中」となっていることが確認できました。
ブラウザからアクセス
仮想マシンが起動できたら、仮想マシンのWordPressにアクセスしてみましょう。
ブラウザから以下のURLにアクセスします。
以下のようにWordPressのページが表示されればOKです。
http://192.168.50.4/ に接続
次に、以下のアドレスにアクセスしてみましょう。
すると、「VVV2」とリンク情報が記載されたページが開きます。
仮想マシン上のWordpressの管理画面やページにアクセスするとき、このページを起点にすると便利です。
- http://local.wordpress.dev (安定版)
- http://src.wordpress-develop.dev (開発版)
- http://build.wordpress-develop.dev(ビルド版)
- http://192.168.50.4 (デフォルトIP)
WordPressの管理画面にログイン
次にWordPressの管理画面にログインしてみましょう。
ブラウザから以下のアドレスを開くと、WordPressのログイン画面が開きます。
http://local.wordpress.dev/wp-login.php
ログインするときのユーザー名は「admin」、パスワードは「password」を入力し、「Log In」をクリックします。
WordPressの管理画面にログインできました!
WordPress管理画面を日本語化
「VVV」でインストールされるWordPressは英語版です。
これを日本語化する手順を説明します。
ターミナルを開き、以下コマンドを入力して仮想マシンにログインしてください。
vagrant ssh
vagrant@vvv:~$
仮想環境に入ったら、cd
コマンドで「wordpress-default」ディレクトリ(フォルダ)に移動します。
cd /srv/www/wordpress-default/
次に以下のコマンドで日本語をインストールします。
wp core download --locale=ja --force
Success: WordPress downloaded.
vagrant@vvv:/srv/www/wordpress-default$
これで日本語版WordPressがインストールできました!
WordPresssの管理画面から日本語に切り替え
上記で日本語版のインストールはできましたが、それを適用する設定が必要です。
Wordpresssの管理画面から日本語に切り替えます。
WordPresssの管理画面の左メニューからSettings➔Generalを選択してください。
次に、「Site Language」項目の プルダウンメニューの中から「日本語」を選びます。
日本語を選択したら、「Save Changes」をクリックして設定を保存します。
すると、管理画面の言語が日本語に切り替わりました!
日本語への切替手順は以上です。
日本語化されたかWEBサイトのチェック
管理画面だけでなく、WEBサイトの言語も確認するために、ブラウザから再度以下のアドレスにアクセスしてみましょう。
メニューが日本語になっていることが確認できました。
vvvのディレクトリ構成について
ホストOSのディレクトリ
vagrant/vvv/www/wordpress-default/
ゲストOSのディレクトリ
/srv/www/wordpress-default/
ホストOSで、ソースを修正すればゲストOS上のソースも更新されます。
コマンドまとめ
この記事で紹介した、コマンドをまとめておきます。
作成されたファイルを確認しながら、説明をまじえての作業だったので、始めての方は、長く感じたと思います。
Vagrant、VirtualBox、vagrant-hostsupdaterの準備が出来ている場合、
実際にはコマンド数行でWordpreeローカル開発環境が構築できます。
仮想マシンの設置
#gitからクローン
git clone git://github.com/Varying-Vagrant-Vagrants/VVV.git vagrant/vvv
#vvvフォルダに移動
cd vagrant/vvv
#vagrantの初期化
vagrant init
#vagrantの起動
vagrant up
日本語化
#vagrantへの接続
vagrant ssh
#「wordpress-default/」フォルダへ移動
cd /srv/www/wordpress-default/
#日本語化のコマンド実行
wp core download --locale=ja --force
まとめ
WordPressの開発環境をVagrant+VirtualBox+VVV(Vagrantのbox)で構築する手順について説明しました。
仮想環境を用意すれば、WordPressテーマ開発やカスタマイズのときに便利で、失敗してもいくらでもやり直すことができます。
作った仮想マシンにFTPソフトでアクセスする方法については、「FTPソフト、FileZilla(ファイラジラ)でVVVで構築した仮想マシンに接続する方法」を確認してください。
「黒い画面は苦手」とう人は、「Local by Flywheel」を試してみましょう。
GUIで操作できるので、ポチポチクリックするだけでとても簡単にWordPressの開発環境を構築できます。
初心者でも簡単にWordPressのローカル開発環境を構築! Local by Flywheelの使い方
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